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ウズラの特徴・体のしくみ・飼育と繁殖

このページでは、ウズラの分類と歴史、体の特徴、飼育・繁殖について、過去に作成した原稿を生かしながら一つにまとめています。

分類

分類

ウズラは学名をcommon quailといい、脊椎動物門、鳥網、キジ目、キジ科、キジ亜科、ウズラ属に属する。

脊椎動物門★Phylum Cordate
脊椎動物亜門★Subphylum Vertebrata
鳥網★Class Aves
新鳥亜網★Subclass Neuounithes
キジ目(鶉鶏目)★Order Galliformes
キジ科★Family Phasianidae
ウズラ属★Genus Coturnix
ウズラ種★Species Japonica Coromandelica Coturnix

歴史

歴史

野生のウズラ(Common Quail)はヨーロッパ、アジア、アフリカに分布し、草原、農耕地、河原に棲息している。
キジ科の中で唯一真の渡りをする種で、5亜種にわけられる。
その内、ウズラjaponicaは、北日本、サハリン、バイカル湖以東のシベリア、中国東北部、モンゴル東部、朝鮮半島で繁殖し、冬期に日本、台湾、南中国、東南アジアに渡る。
体の大きさは家禽ウズラの約80%で寿命は3〜4年と推定されている。

この野鳥が家禽ウズラとして飼養された歴史は、600年前に溯ると言われている。
素朴な鳴声を楽しむ風習が中世の武士階級の間に流行し、「鶉合わせ」という競技会を行った。
おおむね桃山時代より始まって、江戸中期の明和・安永の時代が最盛期であった。
また、市民階級では巾着鶉と称して、ウズラを袋に入れ、腰に下げて持ち歩き、座敷で鳴かせることも流行した。
明治以後にもこの風習が庶民の間に広がり鳴き声を競う会が頻繁に開かれた。しかし、この起源となった鳴きウズラはた残念ながら絶滅した。
現在の家禽ウズラは1910年頃に高産卵率を目的に改良されて、日本で馴化されて家禽となったものである。
また、最近では実験動物としても利用されている。

家禽の発祥

ニワトリはインドで家禽化し、七面鳥はフランスで家禽化に成功したことで有名であるが、ウズラの家禽化が日本人の手で行われたことを知っている人は少ないようである。

形態・生理

産卵は午後

ウズラの産卵は午後4時頃から6時頃がピークであり、ニワトリの産卵は午前中、アヒルの産卵は真夜中と種によってたいへん異なっている。

ニホンウズラの生物学的値

餌消費量

15〜25g

飲水量

25〜30ml

繁殖開始

8週令より(24週令まで)

体温

41〜42℃

適温範囲

5〜24℃(10℃以下では体調不良)

寿命

6年(上野動物園)産業用や実験用では1.2〜1.5年)

ニワトリとの交雑種

ウズラとニワトリの交雑種の作出については多くの成功例が報告されている。
雄のニワトリと雌のウズラを交配に用いた。
体格や卵の大きさは両者の中間である。
鶉鶏目として近縁である証拠である。

ウズラの卵

ウズラは40〜50日令頃より産卵を開始する。
ウズラの卵重量は雌体重の約8%(ニワトリは3%)で、平均10g前後である。
卵殻にはツヤがあり、大小の斑点がある。
斑点がなく、全体に茶色ぽいものや、殻の柔らかいものは病気の時や老齢の個体や栄養状態の悪い個体が産卵したものである。

性別

一般的に雌が雄より重い。羽装は、背部が暗褐色で腹面は色が淡い。
雛の時には黒い条班があらわれる。性別の判定は30日令から可能である。
雄は咽喉頭部および胸部の羽装が赤褐色であるが、雌は淡い赤褐色に黒の斑点がある。
また、雌の顔には口から眼の下を通って耳へ続く白い線があらわれるほか、喉も白くなる。
また雄は雌よりよく鳴くので区別がつく。

一番小さな家禽

ウズラはキジ科の中で最小の鳥であり、また家禽のなかでも最小で体重は90〜160gである。
小さな丸みを帯びた体型を呈する。

飼育・繁殖

繁殖

雌雄鑑別

ウズラは孵化直後には雌雄鑑別は不可能であり、生後30日令頃より羽装の変化によって鑑別する。

性成熟

ウズラは40〜50日令で産卵を開始するが、良い受精率と孵化率を期待するには雌雄ともに8〜24週令の間が良いとされている。

交配

性成熟に達した雌雄を交配比は、雄1:雌1〜6が適当である。
また、雄の分離後9〜10日間、受精卵が観察されている。
しかし、80%以上の平均受精率を得るには、少なくとも4日に1回は交配しなければならない。
なお、雄の腔門直後の赤く膨脹した部位を押して白色泡状の精液がよくでるものを選ぶと好結果が得られる。

孵化

飼育されているウズラは就巣性が無いので人工孵化を行う。
種卵の保存期間は10℃前後の冷暗所においても2週間が限度である。
孵卵の適温は39.5℃である。
転卵は、入卵した日、または翌日から孵化予定日の3日前まで毎日、朝、昼、夜の1日3回行う。

検卵

検卵器を用いて、入卵5〜7日目に第1回の検卵を行い、有精卵か無精卵かを検査する。
第2回目の検卵は入卵12〜13日目に行い、発育を中止した種卵を除外する。

ヒナの発生

ほとんどのヒナは入卵16〜17日目に孵化するので、入卵14,5日目に転卵せずにそのままで孵化を待つ。

飼育場所

ウズラを飼育するには屋内でケージにいれて飼育するか、屋外の小屋で飼育する例が見られる。
いずれの場合でも注意したいことは、驚いて急に飛び上がって事故を起こすことである。

ケージ飼育

実験動物の飼育管理での数値

成熟ウズラは310w×440D×230Hmmの金網ケージで3〜4羽程度飼える。
床の金網の目は10×10mmが良いとされている。

育成中のひなのケージは260w×400D×240Hmmを使う。
このケージに孵化後3週令まで10羽、5週令で5羽、6週令で3羽を収容できる。
床の金網の目は5×5mmか゛適当である。

採卵用のウズラは闘争性が強いので、数羽を混飼する場合は喧嘩などに注意が必要である。
また、天井に魚網などをはって追突対策をしているケースもある。

餌入れ

餌入れの中に入って、脚で引っ掻き回して食べ、中に糞をしたりするので毎日掃除ができるものが良い。
ひっくり返さないような重たいものか、壁掛け式がよい。

水入れ

給水ボトルをケージに固定しておくと良い。
体が小さいので水切れはダメージが大きいので常に注意 が必要である。
またはひっくり返さないような重たい容器を使用すると良い。

野外飼育

立地

ウズラ飼育環境の要点には次のポイントがいわれている。

  1. ウズラは臆病で、あまり明るいところはにがてであり、全体を薄暗い構造にする。
  2. 夏の風通しを良くして、更に強い日差しや暑さ対策ができること。
  3. ウズラは低温に対してニワトリほど強くないので、冬の保温は重要である。実験用のウズラは室温を10℃以上に保たれている。
  4. ヘビやネズミその他、外敵にそなえる。
小屋

ウズラの外敵から保護するために、床はコンクリート張りにして更に砂を敷いておくと良い。
また、周囲の金網は細かい丈夫なものにしたい。
止まり木はケージ飼育の欠点である運動不足の解消に有効であり、小屋での飼育には必ず設置したい。
また、上記立地を考慮にいれた構造が望ましい。
また、管理などで出入りする際の逃亡に配慮した出入り口の構造が必要である。

温度

適温範囲 15〜24℃

ウズラは暑さには比較的強いが、寒さには敏感であまり抵抗力がなく適温範囲の狭い動物である。
特に冬期には注意が必要で、成熟したウズラは寒さが続くと換羽するので健康・外観上よくない。

餌

成長したウズラには専用の配合飼料が市販されているが高率に産卵している産業用の飼料で、一般的な飼育では野菜を刻んだものを10〜30%加えて与える。
その他の方法としては採卵鶏の中雛用の飼料を使用し、適量の野菜を刻んで与えてもよい。

ヒナの管理

孵卵器に入卵した種卵は16〜17日目には孵化する。
ヒナは嘴の先(卵嘴)で卵殻を割って外に出てくる。
孵化したての雛は全身が濡れているが2時間位で乾き、走りまわるようになったら順次育雛器に移す。

加温

育雛器の温度を調節するために、ヒヨコ電球などで保温する。
温度の目安は孵化後1週令まで38℃に、2週゜令より徐々に2℃ずつ温度を下げていき、6週令で20〜25℃くらいを目標に温度調節を行う。

ヒナの餌

孵化後2〜5週令位まではニワトリのチックフードを与える。
チックフードは粉末状のまま与えるか水を加えてかゆ状にして与える。
この場合、腐敗しないように与える量を注意したい。

解剖学的な体の特徴はニワトリと類似

ウズラの解剖学的な特徴はニワトリの消化器、呼吸器、泌尿器、生殖器、骨格などおおまかには変わりがないようである。

糞と掃除

ウズラの糞は細かく少量で、ケージの場合は見つけやすいが小屋で放し飼いの場合は砂や餌と混じって見つけにくい。
掃除の時に下痢など糞の異常に注意したい。

ケージの掃除

ケージのすのこの下に新聞紙を敷いて汚れ具合によって交換する。
すのこも時々はずしてブラシなどで擦って目が詰まったままにしない。
これは感染症の予防上大切なことである。

小屋の掃除

ウズラを小屋で飼育する場合は餌箱の周囲や止まり木の下などに予め砂などを敷いておき、静かに驚かせないように掃きとるようにする。

当カテゴリーは、かつて学校で飼育する動物を学ぶために作成された資料をもとにリニューアルしたものです。